二階まで伸びる木立の中庭。すべての部屋から中庭を望む。縦の線と横の線が交わり織りなすように。
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杉並区Y邸の庭が完成いたしました。
熊澤安子建築設計室のお仕事です。
毎回思う事ですが、庭づくりのはその土地の重みを感じることだと思います。
現在に至るまで、その「場」にどのような歴史があり、物語があったか・・。
どんな自然が広がり、人が居住し、またどんな大きな力で守られてきたか。
庭を作るという事は、打ち合わせからプラン作り、樹木や草花の選定、植栽に至るまで、そのことに寄り添い感じることだと思っています。
テクニックではなく、あえて言葉にするなら「感応」ということに近いかもしれない。
ですから、集中して作業すれば、あっという間に完成する。
草木の魂、土地の力、施主様の想いが大きな力添えになります。
実はこの土地には施工前に縄文土器が出土されたらしく、調査が入ったという事です。
幸い施工には支障がなかったそうですが、その時代から人々の営みがあったことを知り、土地の重みを再確認いたしました。
また、庭づくりがほぼ終わった頃に、可愛いお嬢様が「庭を作って下さってありがとうございます!」とお声掛けくださいました。
聞けば、その発掘の現場にも立会い、大工さんの差入も自らがされて、また庭づくりの様子も見てらっしゃいました。
お父様の意向ではあるようですが、お子様にとってはなにより貴重で得難い経験だったと思います。
こういうことが本当の教育であり、感性を育む「体験」なのだと教えて頂いた気がいたしました。
施主様の想い、建築家の熊澤さんの感性、東北の素晴らしい樹木や草花が相まって、良い庭が出来たと思います。
ご依頼いただいた施主様には、心より感謝申し上げます。
ありがとうございました。